今年の1月21日のブログで、北海道学力コンクール(道コン)の受験者数や志望動向のデータをもとに、帯広市内の公立上位3校(柏葉・三条・緑陽)の入試倍率を予想しました。
本日、北海道教育委員会から「欠席者を考慮した当日の実質的な受験者数」が発表されました。
さっそく、私の立てた予想と実際の数字にどれほどの「ズレ」があったのか、検証(答え合わせ)をしてみたいと思います。
1. 過去5年間における「3つの倍率」の推移
まずは、過去5年間の実際の倍率推移を振り返ります。
倍率には、①1月発表の「当初倍率」、②出願変更後の「最終倍率」、③7月発表の「欠席考慮(当日受験者)」の3段階があります。
※注:三条・緑陽の「最終」「欠席考慮」の分母が減っているのは、推薦合格者数を除いた「一般入試の定員」に対して算出しているためです。
| 年度・段階 | 柏葉(定員240) | 三条(定員240/一般192) | 緑陽(定員160/一般128) |
| 2022年度 当初 最終 欠席考慮 | 335人/240(1.40倍) 303人/240(1.26倍) 295人/240(1.23倍) | 336人/240(1.40倍) 284人/192(1.48倍) 280人/192(1.46倍) | 171人/160(1.07倍) 167人/128(1.30倍) 153人/128(1.20倍) |
| 2023年度 当初 最終 欠席考慮 | 334人/240(1.40倍) 309人/240(1.29倍) 299人/240 (1.25倍) | 295人/240(1.23倍) 245人/192(1.28倍) 234人/192(1.22倍) | 204人/160(1.28倍) 187人/128(1.46倍) 178人/128(1.39倍) |
| 2024年度 当初 最終 欠席考慮 | 283人/240(1.18倍) 267人/240(1.11倍) 264人/240(1.10倍) | 265人/240(1.10倍) 229人/192(1.20倍) 215人/192(1.12倍) | 193人/160(1.21倍) 156人/128(1.22倍) 146人/128(1.14倍) |
| 2025年度 当初 最終 欠席考慮 | 296人/240(1.23倍) 300人/240(1.26倍) 275人/240(1.15倍) | 300人/240(1.25倍) 242人/192(1.26倍) 225人/192(1.17倍) | 200人/160(1.25倍) 172人/128(1.34倍) 155人/128(1.21倍) |
| 2026年度 当初 最終 欠席考慮 | 293人/240(1.22倍) 280人/240(1.17倍) 273人/240(1.14倍) | 267人/240(1.11倍) 215人/192(1.12倍) 202人/192(1.05倍) | 192人/160(1.20倍) 163人/128(1.27倍) 143人/128(1.12倍) |
2. 【答え合わせ】受川の予想 vs 実際の数字
今回の私の予想と、実際の数字のズレ(実際 - 予想)は以下の通りです。
※右側の「+」「-」の数値は、私の予想に対して実際の受験生が何人多かったか(少なかったか)を表しています。
- 柏葉高校
- 当初:286人(1.19倍) ⇒ 実際は +7人
- 最終:276人(1.15倍) ⇒ 実際は +4人
- 欠席考慮:268人(1.12倍) ⇒ 実際は +5人
- 三条高校
- 当初:280人(1.17倍) ⇒ 実際は -13人
- 最終:230人(1.20倍) ⇒ 実際は -15人
- 欠席考慮:215人(1.12倍) ⇒ 実際は -12人
- 緑陽高校
- 当初:180人(1.13倍) ⇒ 実際は +12人
- 最終:150人(1.17倍) ⇒ 実際は +13人
- 欠席考慮:140人(1.09倍) ⇒ 実際は +3人
柏葉と緑陽はかなり近い精度で予想できましたが、三条高校の受験生が私の予想よりも10名以上下回る結果となりました。
この背景には、近年の「私立高校の実質無償化」に加え、ここ数年の「夏の猛暑」も影響していると考えられます。私立高校はいち早くエアコン設備が整っているのに対し、公立高校のエアコン稼働は来年度から(※2026年時点の予定)となっているため、環境面を考慮して私立を選択した層が一定数いたのかもしれません。
ただ、三条高校へ進学した当塾のOB・OGたちは、みんな本当に充実した楽しい高校生活を送っています。環境や倍率の変動はあれど、素晴らしい学校であることには変わりありません。
3. 「定員超過分の合計」に見る、学力入試の本質的な変化
最後に、3校の「定員をオーバーして不合格になってしまう人数(超過分)」の合計値を見てみましょう。
道コンの受験者数から「本気で学科試験での勝負に挑んでいる生徒」の数を割り出し、今年の超過人数を予想しました。
| 段階 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026(実際) | 受川予想 |
| 当初超過数 | 202人 | 193人 | 104人 | 156人 | 112人 | 106人 |
| 最終超過数 | 194人 | 181人 | 92人 | 137人 | 98人 | 96人 |
| 欠席考慮(実質) | 168人 | 151人 | 65人 | 95人 | 58人 | 63人 |
私は、過去最少だった2024年の「65名」をさらに下回る「63名」と予想していましたが、実際はそれをさらに下回る「58名」でした。上位校の入試が、かつてないほど「広き門」になりつつあります。
倍率低下の背景には、少子化や私立無償化といった分かりやすい社会構造の変化があります。しかし、塾講師の私は、もう一つ別の大きな要因を感じています。
それは、「普段の学習方法の質的な変化」です。
学校での一人一台タブレットの導入や、解説動画を見て自分で進める「自習スタイル主体の塾」に通う生徒が増えたことで、子どもたちの学習環境は大きく変わりました。一見、効率的に勉強できているように見えますが、これらは「受け身の学習」や「目の前のワークをこなす作業」に陥りがちです。
その結果、普段の学習が、思考力を問われる「公立高校の入試問題(特に裁量問題の流れを汲む発展的内容)」と地続きになっていない(=入試に通用する本当の学力が身につきにくくなっている)のではないでしょうか。倍率が下がっているからこそ、実質的な入試対策の質の差が、合否を大きく分ける時代になってきていると感じます。
データから時代の変化を読み解き、当塾ではこれからも「入試のその先まで通用する本物の思考力」を育てる指導を続けてまいります。