AI丸投げの投げやりな答えの危険性

当塾では、原則として生徒にテキストの解答を渡しません。「正解するまで自力で解き切る」というスタイルを貫いています。

正直に申し上げれば、これは講師側にとっても根気のいる作業ですし、解答を頼りにできない生徒にとっても決して楽な道ではありません。しかし、安易な近道を通らずに苦労して導き出した答えこそが、本物の学習効果を生み、同時に折れない精神力を養うのだと確信しています。

もちろん、時には友人から答えを借りて写してしまうような誘惑に負ける生徒もゼロではないでしょう。現場で目撃すれば厳しく指導しますが、「これは自力ではないな」と感じつつも、あえて沈黙を守ることもあります。生徒を追い詰めすぎず、自浄作用を待つことも教育の一側面だからです。幸い、大多数の生徒は自分の頭で考え、あるいは私たち講師を頼りながら、誠実に課題と向き合ってくれています。

AIは中学生の「良きチューター」になれるか?

最近、保護者の方からこのようなご相談を受ける機会が増えました。 「うちの子がAIに問題を解かせようとして、上手くいかずにイライラしている」 「アプリで答えを出しているようだが、本当に効果があるのか?」

これからの時代、AIを完全に排除することはできません。私自身、塾に遊びに来てくれる理系の大学生や大学院生(彼らは自身の研究にAIを高度に活用しています)と共に、AIが中学生の良きパートナーになり得るか、様々な検証を続けています。

しかし、現時点での結論は「全くもって不十分」です。

AIは平然と誤答を提示しますし、何より「その子の学年や現在の学力」に応じた適切な解説ができません。先日も、ある生徒の数学の添削をしていた際、今の時期には到底使わないような解法を雑に写し、しかも間違えているというケースがありました。本人に尋ねると、やはり生成AIの回答を丸写ししたとのことでした。

最後に

ある程度知識を備えた大人が、自身の研究や業務の「アシスタント」としてAIを活用するのは非常に有用です。しかし、基礎を積み上げるべき段階の子供が「課題を楽に終わらせるための道具」として悪用してしまうことは、成長の機会を自ら摘み取ることに他なりません。

「便利さ」の裏側にある危うさを正しく伝えながら、当塾ではこれからも、泥臭く自分の頭で汗をかく学習の大切さを伝えていきたいと考えています。

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