冬期講習会の大きな節目である「北海道学力コンクール」の採点も、残すところ後日受験の1名分となりました。答案をめくっていると、「ここはもっと詳しく教えたはずなんだけどな……」と思わず首をかしげる瞬間もあります。しかし、そこには無気力な解答はほとんどありません。記述問題にも果敢に挑む姿勢が答案用紙からにじみ出ており、その熱量に、こちらも背筋が伸びる思いです。
15歳の春、義務教育の集大成として公立高校入試に挑むこと。それは人生において非常に意味のある経験だと信じ、私は日々指導に向き合っています。生徒たちにとっては人生初の大勝負。受ける側はもちろん、送り出すこちら側にとっても、毎年恒例の「心臓に悪い季節」がやってきました。
そんな中、年末年始には帰省のついでに顔を見せてくれる卒塾生たちがいます。彼らはここで過ごした受験勉強の日々を人生の礎とし、当時の努力と今の自分を重ね合わせながら、さまざまな話を聞かせてくれます。
大学生や社会人になった彼らの話は、どれも興味深いものばかりです。プロを輩出するような強豪野球部での挫折と、そこから這い上がった葛藤の記録、そして、周囲を見て気づいた勉強の大切さ。医学部生が人間としての視野を狭めないようにと工夫しながら積み重ねている日々。訪日外国人に寿司作りを教えるアルバイトを通して見えた異文化交流の面白さ。
気づけば、私の知らない世界の話を教えてもらうことのほうが多くなり、「いつの間に立場が逆転したんだろう」と嬉しくなります。自分の20代とはまた違う、彩り豊かな人生。未知のことにも素直に「学ぼう」と向き合い、自分の目で見て悩み、価値観を築いていく彼らの逞しさに、深い感銘を受けました。
かつては、中学生にとって未知の世界であった「高校受験」へと導く立場でしたが、今ではすっかり教わる側になることも増えました。教え子の頼もしい成長に、ただただ脱帽するばかりです。
自分の生きている世界を、自分の言葉で語れる大人へ――。今の塾生たちもまた、そんな風に育っていくことを心から期待し、残りの採点、そして直前期の指導に力を尽くしたいと思います。