道コンの結果と、教育の本質について考える

後日受験の生徒も多く、本日まで採点がかかってしまいました。結果には一喜一憂しているところです。

1・2年生:努力が結果に変わる瞬間

今回の道コンで、生徒たちの学習態度がはっきりと結果に表れたように感じます。授業に真剣に向き合い、習ったことを着実に定着させてきた生徒たちは、難易度の高い道コンでも450点から470点台という高得点を叩き出しています。

一方、残念ながら学習が中途半端なままであった生徒の中には、200点を下回ってしまった生徒もいました。同じ教室で学んでいても、日々の取り組み方一つで大きな差が生まれる現実を目の当たりにしました。

当塾では、全道トップクラスの生徒と、勉強が苦手な生徒が一緒に学んでいます。一見、効率が悪いように思えるかもしれませんが、実はここに大きな効果があると考えています。成績上位の生徒は、問題解決のスピードの違いから生まれる時間を使い、集中して弱点補強や追加課題に取り組むことができます。また、同質な生徒ばかりを集めて競争を煽るよりも、多様な仲間と学ぶことで、それぞれのペースで着実に成長できる環境を大切にしたいと考えています。

もちろん、成績中位から下位だった生徒も、真剣に取り組めば驚くほどの成長を見せてくれます。学校の定期テストでは200点以上点数を伸ばしたり、難易度の高い道コンでも偏差値を20以上上げたりする生徒も少なくありません。しかし、ただ塾に来ているだけで、どこか上の空で時間を過ごしている生徒は、残念ながら思うように成績が伸びません。「頑張りたくないことは、頑張らなくてもいい」という考え方がデフォルトになっていると、指導する側としても非常に歯がゆさを感じます。早い段階でこの意識を変えてほしいと願っていますが、社会全体に広がる「無理強いをしない」という風潮も、この変化を難しくしている一因かもしれません。

3年生:真の「学力」を育むために

中学3年生は、勉強時間の割に苦戦している生徒が多い印象です。その根底には、問題文を正確に読み解くリーディングスキルの弱さがあると感じています。

また、ただ長時間机に向かうだけで、内容を本当に理解することへのこだわりが不足している生徒も少なくありません。私たちは、目の前の問題を解くことだけでなく、「なぜその答えになるのか」を深く考え抜く力を養うことを重視しています。

指導者の中には、「難しいことはやらずに、基本問題だけを徹底して効率よく点数を稼ぐ」という考え方を持つ人がいます。しかし、これは非常に危険な、そして狡猾な戦略だと私は感じています。

確かに、定期テストなどでは一時的に点数が上がるかもしれません。しかし、高校入試はそう甘くはありません。**本物の学力は、難しい問題に何度も挑み、失敗し、深く考える過程でしか身につきません。**基本問題だけを繰り返す学習は、その「考える力」を養う機会を奪い、入試レベルの問題には歯が立たないという、根本的な弱点を見過ごしてしまうことにつながります。

目の前の結果に安易に飛びつくのではなく、生徒たちには、真の学力を身につけることの重要性を伝え続けたいと考えています。公立入試という高いハードルを乗り越えるためには、泥臭くても、一歩ずつ難しい問題に挑む姿勢が不可欠です。

この夏、塾で長時間問題と格闘した日々は、決して無駄ではありません。それは、今後どんな問題にも立ち向かえる「考える力」を育むための、大切な時間だったのです。

これからも、生徒一人ひとりが本物の学力を身につけ、将来の選択肢を広げられるよう、私たちは指導を続けてまいります。受験生をサポートするご家族の皆様、ご理解の程よろしくお願いいたします。

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