副校長先生とのお話

 道央の私立中高一貫校の副校長先生が当塾に来られました、卒塾生もお世話になっている学校で、今も野球部や公式テニス部で活躍している生徒がいます。当塾では、柏葉受験の併願校として、受験する生徒も多いです。いつもなら卒塾生の高校での様子をおしえていただくのですが、今年、京都の系列校から6年ぶりに北海道に再任されたようで、残念ながらあまりご存じないようでした。しかし、色々と興味深いお話を聞かせていただきました。
 不登校の生徒が増加して、その中には高い学力を維持しながらも不登校状態の生徒も多くいます。入試の選抜ではどういう影響があるのかお尋ねしたところ、「総合的判断という曖昧な表現になってしまうが、年度毎の選抜試験の状況やその生徒の事情や経緯などによる。」ということでした。完全に受け入れないわけでもなく、不利にならないわけでもないようです。そして、自らの教育委員会での勤務経験から、「私立高校より、公立高等のほうが不登校に対して寛容ではないか。」ということでした。現在、小中学生が不登校を選択するハードルが下がり、むしろ無理して登校させない傾向がありながらも、高校受験での影響が分かりづらい状況です。フリースクールや通信制高校という選択肢があるのですが、高校受験を契機に不登校状態をリセットし、毎日高校に通学し、授業を受け、学級活動や部活動に参加し、忙しい中でも試験勉強に取り組むような高校生活を望む生徒も多いように感じます。行政が主導してガイドラインなどを作っていただきたいです。  
 続いては、ICT学習の状況についてお尋ねしました。私立高校として先進的な取り組みをされているイメージもありますが、アナログ的な辞書引き学習の普及に功績がある学校でもあります。「現場の先生方は、ICTの活用にも尽力されているが、今のところは対面形式でアナログ的な授業が最も生徒への定着度が高い。」とのことでした。ICTを活用した古文文法の教材をかなりの労力で制作し学習に取り入れたところ、生徒の評価を考慮して使用を止めたこともあるようです。ICT教材を使用する場合には、教える側が、労力や費用を回収するためにゴリ押しになりがちです。生徒の反応を注視する必要があり、見習うべき姿勢だと感じました。

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