仲間

 2週間限定で、東京から帯広に転校してきた小学生の兄妹を指導しました。中学受験のための学習塾に通塾しており、テキストの内容を指導しましたが、やはり、久しぶりの中学入試向けの問題は、難易度が高く面白いです。隔週で順位や偏差値が出るテストもあり、長時間授業に休憩時間も少ない中で勉強しているそうです。正直、「小学生がこんなに勉強するの?無理してないかな?」と感じます。実際に、苦労の割に、自分の見立てより結果が悪ければ、落ち込む子供たちもいるでしょうし、同じ教室に仲間がいることで、頑張れる子供たちもいるでしょう。
 こういった勉強をしてきた生徒と、大学受験で勝負しなければならないため、道内の進学校では、小テストや課題も多くなり、中学校では勉強にそれほど苦労しなかった生徒でも、悪戦苦闘しているようです。○○高校に入学したんだから、自分でできて当たり前…という前提があり、精神的にも辛いはずです。
 勉強を捨てずに、この辛さを乗り越えるためには、勉強仲間を作ることが1つの手になると思います。私自身、中学校時代は弥生塾で、高校時代は寮生活で勉強を頑張っている友人が多くいてくれたことで、自然と頑張ることができました。卒塾生でも、柏葉高校で、図書館や十勝プラザで勉強する仲間と合格を誓い合って、皆で北大に合格したという話もありました。
 また、学校や塾など集団で学ぶ場で、教室全体がフロー状態になるような授業を展開することが、教える側に求められていると思います。黒板やテキストや問題用紙に同じ瞬間に真剣に向き合えば、会話がなくとも仲間になれます。当塾では、いろんな中学から、生徒が集まっていますが、塾生だったころは、会話をほとんどしたことがなくても、同じ高校に進学後に意気投合する卒塾生も多くいます。「一緒に頑張ったよね!」という意識が根底にあるからだと思います。  
 現在、出来る生徒は勝手に勉強し、仲間意識を育むのは学校行事が中心になっている高校が多いようですが、授業の中で、皆が同じ課題に真剣に取り組める授業を、教える側と教わる側が協力しあってできると、勉強に追われる気持ちが軽減され、自分の夢や目標に対して前向きになれるのではないでしょうか。いわゆる進学塾で、授業が上手で実績を上げているところでは、そういう場面が時折見られるものです。

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