小学生の勉強に順位付けは必要か?

 当塾のような高校入試を見すえた指導をしている個人塾にとって、教科書や定期テストの問題と入試問題のギャップを埋めるために、北海道学力コンクールは欠かせない指導ツールとなっており、中学生の長期休み期間中の勉強でも、生徒たちには、道コンレベルを意識した課題に取り組んでもらっています。

 一方、小学生には、このような模試などは一切行っておりません。我が子にも、小学生時代には一度も模試を受けさせませんでした。一般的に、模試の問題自体は、良問も多くよく練られています。ただ、高校受験まで3年以上ある段階でつく偏差値や順位が、結果の良し悪しに関わらず、子どもから、また、子育て中のお母さんやお父さんから、子ども自身の成長をじっくり味わう姿勢を奪ってしまうことがあります。

 テストの結果が良くなかった場合、子どもは、模試のような問題に対して、恐怖心や嫌悪感を抱くようになり、中学生になっても、その状態が続いてしまう場合があります。親御さんも、テスト優秀者の一覧に、知り合いの同級生の名前を見つけたときに、心がざわついてしまいます。親がライバル心を持っても…と理解しつつも沸き起こる感情は抑えきれずに、それが、子どもにも伝わります。

 逆に、テスト勉強に精を出し、良い結果が出た場合、新しい知識や考え方を身につける、勉強本来の喜びよりも、人に勝つことが、勉強で得られる喜びになってしまうことがあります。お母さんが結果に喜んだりすると、それがさらに助長されます。意識している相手に勝てている間は、競争に尽力し、周りの生徒が、まだそれほど勉強をしていない時期に、ドーパミンがあふれ出すような状態で、ポテンシャル以上の結果を出し続けますが、年齢を重ねていって、誰かが追いつき、追い越したと感じたときに、一気に勉強への意欲が失われてしまうことがあります。学習の報酬が優越感になってしまっているためです。

 順位や偏差値を気にせず、問題や勉強そのものを楽しめていて、周りからライバルや標的にされても、マイペースを保てるなら、実力を試すのもありですが、小学生が目標を持って勉強するなら、英検や漢検などの検定ものや、一冊の問題集をしっかり仕上げるなどして、やり切る勉強の習慣をつけたほうがいいと私は思います。

 正直、入試からまだ遠い時期に模試の勉強するくらいなら、読書にのめり込むほうが、思考力の礎を育て、将来の幸せに繋がると私は思います。

 競争が人を育てる側面はありますが、それは、客観的に自分や他人の特性を理解し、相手の良さを受け入れ、そのことを通じて、また自己を見つめ、自分の特性や自分の良さに気付けるようになったときできす。自分の価値を親や先生の評価に依存している年齢の時期は、両親をはじめとした周囲の大人から自分に向けられた、人と比較されない関心や感心のもと育ってほしいものです。

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